河骨川

宇田川支流の河骨川、唱歌「春の小川」の発祥地としても有名であり、代々木4
丁目を水源とし、代々木八幡へと流れる2kmにも満たない小河川である。
全区間が暗渠となっている。

川名ともなっているコウホネとはスイレン科の水生植物、春から夏期にかけて黄色
の小さな花をつける。かつてこの河川沿いにコウボネが咲いていたのかもしれない。
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(善福寺川沿い和田掘池にて撮影)

水源となっている代々木4-26付近からスタートする。
かつてここには山内侯爵邸(旧土佐藩主)があり、邸内に池が水源であったという。
残念ながら池はマンションに変わり、現在は電柱の看板に水源を示す程度のもの
(写真左上)しか残っていない。
また、地形的には、道路が僅かにV字状に窪んでいることを見ることができる。
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もう1つの水源は、山手通りの西側、初台1丁目付近にある窪地である。
こちらは住宅地内であり、標識等は一切ない。
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初台1丁目付近から発した流れは、東へと続く。
山手通りと交差する地点では、窪地がビルの1階部分ほどにもなる。
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山手通りを越えると深い谷となり、住宅街の中の一般道が続く。
この先、代々木4-39付近で旧山内侯爵池からの流れと合流して、南東へと
進むことになる。
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合流後50メートルほど行った地点の左手に見えるのが、切通しの坂
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大正~昭和初期に活躍した岸田劉生(1891~1929)は、大正3(1914)~5年
にかけて代々木山谷町に住んでおり、この付近を描写した作品が多くある。
そのうちの一点の「道路と土手と塀切通之写生)」は重要文化財となっている。

岸田
「道路と土手と塀(切通之写生)」 (Wikipediaより転載)

代々木4丁目から5丁目にかけて、河骨川跡の暗渠道が続く。
電柱に「春の小川」と書かれた看板が掲示されているので、辿りやすい。
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かつての護岸壁らしき構造物もある。
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暗渠道は小田急線の線路に突き当たって終わる。
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小田急線との交差後、河骨川は小田急線に沿って南西に流れる。
最初は迂回する必要があるが、その後、線路に沿う細道を辿ることができる
ようになる。
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その線路沿いに高野辰之(1876~1923)作詞による春の小川の歌碑がある。
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その脇による説明板によると、高野辰之は明治42年(1909)から代々木山谷
(現在の代々木3丁目)に住み、このあたりの風景を愛して、しばしば畔を散策
していたという。
(但し、辰之出身の長野県中野市の情景を思い浮かべて作詞したとの説もある。)

 春の小川はさらさら流る。
 岸のすみれやれんげの花に、
 にほひめでたく、色うつくしく
 咲けよ咲けよと、ささやく如く。


現在、小学校唱歌として教えられる「春の小川は、さらさら行くよ~」とは歌詞
が異なる。
これは昭和17年(1942)、国民学校への教科書の掲載時に林柳波が口語体
へ改めたものであり、更に戦後の昭和22年(1947)に部分修正されている。

小田急線は代々木八幡駅手前で右へカーブするが、河骨川は蛇行しつつ更に
南へ流れるために線路とは離れる。
暗渠道脇には児童画が描かれた塀も見られる。
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その先で河骨川は宇田川に合流する。
代々木八幡駅南口の商店街から、宇田川緑道が始まった場所のすぐ近くである。
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《参考文献》
『「春の小川」はなぜ消えたか』 田原光泰著 (之潮 刊)


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善福寺川沿いのウォーキングから始め、東京や近郊の中小河川・用水・暗渠を巡る。
07年「善福寺川リバーサイドブログ」を綴り始め(14年6月閉鎖)、13年2月から当ブログを開始。

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