北沢川 2

左内弁財天がある小公園からは北沢川緑道と名づけられた遊歩道が始まる。
北沢川緑道は終端まで続く延長約4.3キロの緑道であり、随所に緑道の案内板
が設置されている。
緑道脇には四季折々の花が咲き、素晴らしい散歩道となっている。
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宮坂2丁目付近では、道路に並行してユリの木公という公園となって進む。
古地図をみるとこの付近では北へ蛇行していたようだが、周辺地域の区画整理
に伴い、直線化されてしまったようだ。
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ユリの木公園の先で東急世田谷線と交差する。
ちょうど山下駅のすぐ北にあり、駅構内の踏切を利用してその先へと廻り込む。
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山下駅付近ではS字状に蛇行する区間があり、かつての北沢川を彷彿ちさせる。
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緑道は小田急線の北側を進み、やがて梅ヶ丘駅の北側に達する。
その北にあるのが、梅の名所として有名な羽根木公園である。
公園一帯は丘となっており、古くは六郎次という鍛冶屋が住んでいたとことから、
六郎次山と呼ばれ、また大正末期には一部が根津財閥の所有地となっていたため、
根津山と呼ばれた。
公園の名は世田谷村大字世田谷字羽根木の飛び地であったことに由来する。
昭和31年(1956)、東京都が羽根木公園として開園し、その後、世田谷区に移管
されている。
園内には700本の梅が植えられ、毎年2月には梅まつりで賑わう。
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なお、北方の羽根木1丁目付近から、羽根木公園を廻り込むように羽根木支流(仮)
が流れ、梅ヶ丘の西側で北沢川と合流していた。

梅ヶ丘の東側で小田急線と交差し、緑道は線路の南側に出る。
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環七との交差部では、下流側に宮前橋の欄干(「昭和三十五年四月完成」の文字
がある)が残されている。
かつては上流側にも欄干があったが、緑道の再整備の際に撤去されてしまった。
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その宮前橋付近の北沢川緑道の説明板にあった昭和20年代、30年代の写真。
農業用水として利用されていた北沢川が、都市化によって環境悪化していった
ことを示すものだが、それなりの川幅を持つ河川であったことがわかる。
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北沢川の北側に真言宗豊山派の円乗院がある。
創建年代は不詳だが、寛永(1624~1645)初期頃までには代田村村民の菩提寺
として創建維持されてきたとようだ。
また、裏手の丘陵端では弥生時代の遺跡が発見され、竪穴住居が確認された。
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宮下橋より下流にはせせらぎの水が流れている。
これは神田川沿いにある落合水再生センターから導水された再生水を利用し、
緑道沿いを流れ、目黒川へと落とされている。
渋谷川・呑川とともに目黒川の浄化を目的として城南三河川清流復活事業が
実施され、緑道脇を水が流れて周囲の緑を潤している。
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旧鶴ヶ丘橋付近には、萩原朔太郎(1886~1942)に関する説明板がある。
緑道から眺められる丘上の鉄塔は61号鉄塔といい、昭和元年(1926)に建
ったものだという。
そのすぐ下に朔太郎は自らの設計により、昭和8年に三角屋根の家を建て
晩年を過ごした。
 「定本青猫」の「自序」には下記のような記述がある。。
 都会の空に映る電線の青白いスパークを大きな青猫のイメージに見てゐる
 ので、当時田舎にゐて詩を書いていた私が、都会への切ない郷愁を表象し
 ている。

この丘の鉄塔は「世田谷区地域風景資産」に選定されている。

また、その先には斉藤茂吉(1882~1953)の歌碑もある。
茂吉は精神科医でありながら、アララギの主宰者で歌聖とも称される歌人
であるが、彼は昭和22年から3年間、付近の代田1丁目に住んでいた。
 代田川のほとりにわれをいこはしむ
 柳の花もほほけそめつつ

茂吉が北沢川(代田川は北沢川を別称)を散策していた時に詠んだ歌が
歌碑に刻まれている。
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その他、代田・代沢付近には中村汀女、田中英光、横光利一、宇野千代
らが住んでおり、緑道は「文学の小路」とも称されている。

今は茂吉の時代とは形を変え緑道となっている北沢川だが、近隣住民の
散策路として今も利用されている。
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下の写真は桜の開花時に撮影したもの。
「北沢川緑道桜並木と代沢桜祭り」としてせたがや百景にも選定されている。
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北沢川の北、代沢3丁目には北澤八幡神社がある。
文明年間(1469~1487)の頃、世田谷城主の吉良頼康が勧請したとされ、
七沢八社随一正八幡宮と称された。
現在の本殿は嘉永五年(1852)に建築され、昭和53年に改築されている。
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都内の緑道の中でも、一二を争うほどの素晴らしい緑道であり、世田谷区
の緑道整備への姿勢は相当なものだと感じさせる。
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北沢川は三宿2丁目の先で、同じく緑道となっている烏山川と合流する。
合流後は目黒川となるが、国道246号線までの区間まで目黒川緑道と名を
変え、せせらぎ沿いの遊歩道はなおも続いている。
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善福寺川沿いのウォーキングから始め、東京や近郊の中小河川・用水・暗渠を巡る。
07年「善福寺川リバーサイドブログ」を綴り始め(14年6月閉鎖)、13年2月から当ブログを開始。

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