三田用水 2

西郷山公園を過ぎると三田用水は旧山手通りに合流(正確には三田用水沿いに
道路が造られたということだろうが)、その合流地点にあるのが西郷橋、橋の下を
一般道を通る。
現在は旧山手通りの架道橋となっているが、元々は三田用水の橋だったようである。
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また、この西郷橋の橋詰より渋谷川へと鉢山分水が流れていた。

旧山手通りを進んでいく。
道沿いには代官山のファッション街となり、カフェやブティックが入居するビル
が立ち並び、用水跡は期待できない。
スフィンクスが鎮座する建物があるが、こちらはエジプト大使館。
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そんな中、ヒルサイドテラスの敷地内に、猿楽塚が保存されている。
六~七世紀の古墳時代末期の円墳で2基の築山があり、また塚の上には小さな
猿楽神社がある。
この猿楽塚は、付近の町名である猿楽町の由来となっている。
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その先、右手に古い家屋が見えてくるが、平成16年に国の重要文化財に指定
された旧朝倉家住宅である。
東京府議会議長や渋谷区議会議長を歴任した朝倉虎治郎氏によって大正8年に
建てられた。
木造2階建ての主屋などのほか、目黒川の崖線を利用した回遊式庭園が見所で
ある。
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初夏に訪れたが、主屋の部屋に吹き抜ける風が心地よかった。


駒沢通りを越すとその先は住宅街、用水跡のルートもはっきりとせず、
どうやら住宅街の中に消えてしまっているようだ。
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中目黒2丁目の崖上には、文政2年(1819)、幕臣近藤重蔵によって自邸内に
築いた富士塚があり、新富士として呼ばれ大勢の見物客を集めたという。
(昭和34年に取り壊し)
下の写真は、現地の説明板に掲載されていた広重筆の絵画である。
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また平成3年、この地で新富士ゆかりの地下式遺構が発見され、石の祠や
大日如来像などが出土、新富士遺跡と名付けられた。
遺跡は埋め戻され、地中に静かに眠っている。

その先は残念ながらマンションとそれに続く防衛省施設に行く手を阻まれ、
大きく迂回を強いられる。

迂回して新茶屋坂通りに出る。
ここにはかつて茶屋坂隧道があり、その上を三田用水が通っていた。今はその
脇に説明板が設置されている。
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その説明によると、昭和5年に新茶屋坂通りを開通させるために用水の下を開削
してできた長さ10メートルほどのコンクリート造りのトンネルで、平成15年、
道路拡張に伴い撤去された。
下の写真は説明板に掲載されていた平成11年当時の隧道である。
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用水は山手線沿いにある日の丸自動車学校前に達する。
その学校脇に三田用水の説明板がある。
今までは三田用水に関する説明板は皆無だったが、ここに来て茶屋坂隧道、そ
して此処と、2つの説明板に接することができるのは嬉しい。
説明板の下の大きな石は、かつて用水の木樋の下に設置されていた礎石である。
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山手線の外側沿いに歩き、目黒駅に達する。
用水は目黒駅の南側でほぼ直角に曲がり、白金方面へと向きを変える。
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目黒駅からは目黒通りの一本南の道路を進む。
駅に近い通路とあって、通行量は多めだ。
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首都高目黒線を過ぎ更に進むと、自然教育園の先で目黒通りに合流する。
その手前の妙園寺沿いには崖があり、高輪方面を見通すことができる。
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数百メートルほど目黒沿いを歩き、その先は再び右手の住宅街に入っていく。

今回のゴール地点である高輪台駅までは、あと1kmにも満たない区間で
あるが、用水跡としてはここからが面白くなる。
まずは白金台3-12付近にある今里橋
暗渠を趣味とする方々にとってはあまりにも有名な遺構で、三田用水の
橋跡として現存する貴重なものだ。
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その先数十メートルほど歩くと階段があり、そこに三田用水最大の遺構
がある。
かつてここでは築堤で用水を通しており、その断面が残存・展示してある。
説明板には港区教育委員会の名とともに、脇のマンションの管理組合の名
が連ねてある。
数少ない三田用水の遺構をこういった形で保存してくれることに感謝したい。
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そこから更に二百メートルほど行くと、今里地蔵尊がある。
道が二手に分かれる場所にある小さな地蔵堂であるが、元禄年間に建てられ
たものだという。
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かつてこの付近は今里村と称し、その後に芝区白金今里町となり、昭和44
年(1969)に白金台に改称された。
白金今里町には関東地方で唯一の政府公認食肉処理場があり、すき焼き専門
店で有名な今半の「今」は、ここから肉を仕入れていたことに由来するという。

そのまま道を辿ると、都営浅草線高輪台駅前に出てくる。
この付近で三田用水は北の芝方面と南の大崎方面の二手に分かれるが、今回
はここをゴールとしよう。
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笹塚からここまで概ね8km、用水跡の探索としては1日で歩けるちょうど
よい距離である。


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善福寺川沿いのウォーキングから始め、東京や近郊の中小河川・用水・暗渠を巡る。
07年「善福寺川リバーサイドブログ」を綴り始め(14年6月閉鎖)、13年2月から当ブログを開始。

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