谷沢川 1

谷沢川は上用賀6丁目にあった小湧水を水源として用賀・中町付近を流れ、
下流部では都内有数の景勝地である等々力渓谷を経由して、多摩川へと
注ぐ河川である。
谷沢川という河川名を知らなくても。等々力渓谷を訪れたり、見聞きしたり
して川の存在をご存知の方も多いことであろう。
用賀より上流部は暗渠、下流部は開渠となっており、開渠・暗渠の両方を
楽しめる河川でもある。

谷沢川の水源は上用賀6-30にあった湧水池とされ、付近には、湧水池
跡の碑(後述)もある。
ただし、江戸期には品川用水からの分水(漏水?)があったとされ、現在も
暗渠として辿ることができる。

品川用水は現在の千歳通りを流れていたが、用賀村への分水口は東京
農業大学の西側付近にあったようだ。
千歳通りの西、桜丘3-8付近から暗渠の水路が始まっている。
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その暗渠は世田谷通りの北を西へと進み、途中には古い橋跡などを見つ
けることができる。
おそらく現在、この水路は雨水排水路化しているのであろう。
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暗渠は住宅の間を進んでいくため、迂回を強いられることになる。
その先、世田谷通りと交差する手前で、数十メートルほどの区間、開渠となる。
なんとその開渠には水が流れているではないか。
この水は何処から来るのであろうか。
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この開渠部の手前の北側には、桜丘宇山緑地という緑地があり、大雨時
の遊水池ともなっている。
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その北西側にも別の水路(暗渠)を見ることができ、桜丘4-2辺りまで辿
っていくことができる。
その場所は、谷沢川が流れる地よりやや高くなっており、この付近のどこ
かに水が湧き出ている場所があるのではないだろうか。
(暗渠に水流を確認できる場所がないので、あくまでも推定)
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開渠は僅か数十メートル、世田谷通りを越えて暗渠道が再び続く。
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道路を横断するコンクリート暗渠、このようにはっきりとした暗渠が続いて
いるので追いかけるのも用意だ。
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その南側の駐車場脇に冒頭で述べた谷沢川湧水池跡の碑がある。
この碑は、世田谷区による「てくたく」というもの。
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冒頭では上用賀6-30に湧水池があったと記したがここは22番地、とは
言え、街区としては隣接する地であり、この辺りに湧水池があったのだろう。
上流から流れてくる水と併せて溜池を作り、用賀村の農業用水として下流
へ流していたらしい。
用賀地区にはいくつかの溜池があったが、ここは「上の溜池」と呼ばれて
いたらしい。

コンクリート蓋を辿っていくと、いったん環八へと出る。
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さすがに環八沿いでは水路跡は消えるが、世田谷清掃工場前交差点を
左へ曲がると、再び暗渠蓋が続く歩道が現れる。
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その北側には小さな祠の三峰神社がある。
由緒などは不明であるが、三峰講の人々によって創られたものであろう。
ここにも「てくたく」がある。
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谷沢川の暗渠は、上用賀の住宅街の中をカクカクと曲がりながら進んでいく。
当然のことながら、流路は区画整理によって大きく変更されたものである。
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途中、古い橋跡を見ることもできる。
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その先、用賀中学校の東側を南下していく。
蓋の幅もかなり広くなっている。
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用賀中学校の南側に洗い場の「てくたく」。
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その先、用賀プロムナードという遊歩道となる。
この用賀プロムナードは、田園都市線用賀駅から世田谷美術館などがあ
る砧公園への導線として造られたもの。
歩道脇には人工水路も設けられている。
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プロムナードを辿っていくと、そのまま用賀駅へとたどり着くことができる。
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谷沢川はビジネススクエアという駅前ビル群の中へと吸い込まれるように
進んでいくが、ここで用賀駅北側の無量寺へ立ち寄ってみよう。
浄土宗寺院の祟鎮山無量寺は芝の西応寺の末寺である。
創建は明らかではないが、「新編武蔵風土記稿」には光蓮社明誉寿広和
尚(文禄3年(1594)没)の開山と記されているとのこと、相応の古寺のよ
うである。
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観音堂(写真左)には、天正年間に品川の浜で漁師の網に揚げられ、用
賀の住人高橋六右衛門直住が当寺に安置したと言い伝えられている観
音像がある。

《参考資料》
『世田谷の河川と用水』 世田谷区教育委員会編
『ふるさと世田谷を語る 用賀・上用賀・中町(野良田)』 世田谷区



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善福寺川沿いのウォーキングから始め、東京や近郊の中小河川・用水・暗渠を巡る。
07年「善福寺川リバーサイドブログ」を綴り始め(14年6月閉鎖)、13年2月から当ブログを開始。

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