二ヶ領用水 久地・溝ノ口村堀

久地円筒分水から流れる二ヶ領用水 久地・溝ノ口村堀を追ってみた。
名前が示す通り、久地村、溝ノ口村の多摩川沿い地域に配水していた水路である。
円筒分水から出る4つの堀の中で、一番北に位置する堀であり、円筒分水
に流れる水のうちこの堀に分けられる水量は僅か3%である。
とはいっても、わずか1.5kmの用水路であり、その割合は他の堀に比べれ
ば余りあるものなのかもしれない。

久地円筒分水で分けられる久地・溝ノ口村堀、写真の真ん中に設けられて
いるのがこの堀である。
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久地・溝ノ口村堀は川辺六ヶ村堀とともに円筒分水を出る。(久地・溝ノ口
村堀は左側)
この後、水路は住宅の裏を通り川辺六ヶ村堀と別れ、東へと進む。
2016-06-19_8.jpg

府中街道から上流方向を見た久地・溝ノ口村堀、暗渠となって流れている。
2016-06-19_16.jpg

その府中街道を渡った先、開渠となり清々しい水がそこを流れている。
残念ながら、久地・溝ノ口村堀で開渠となっているのは、ここの100メート
ルほどの区間だけだ。
2016-06-19_19.jpg

その先は再び暗渠となり、住宅街の中を進んでいく。
所々にある点検口の中を覗くと、水が音をたてて流れているが見え、水路
として生きていることを確認できるのが嬉しい。
殆ど雨水排水路と化した都市河川の暗渠と違い、用水路の暗渠はこのよ
うな楽しみがある。
2016-06-19_23.jpg

途中、右へと支堀を分けていく。
2016-06-19_26.jpg

その先もまた右へと水路を分けている。
支堀には水は供給されていない。
この辺りは殆ど宅地化されており、畑があったとしても狭い場所で、野菜
やかつての特産品であった梨が栽培されている程度であるため、農業用
水としての機能は殆ど失われている。
国登録有形文化財である円筒分水がなければ、久地・溝ノ口村堀にも水
は流れていなかったかもしれない。
2016-06-19_28.jpg

水路脇のマンションにあった地下雨水流出抑制施設の説明板。
民間の管理のようだが、民間でこのように説明しているのは珍しいかも。
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その先で暗渠道は終了、この先は普通の道路となってしまい、水路に流
れる水を目にすることはできない。
2016-06-19_32.jpg

国道246号線(厚木街道)との交差する手前、写真のような謎の空間が。
恐らく用水跡地かなにかだろうが、なぜここだけにあるのかわからない。
2016-06-19_34.jpg

国道246号線と交差後、マンションや住宅が建ち並ぶ二子1丁目の道路
を進んでいく。
先ほどまでは暗渠とはいえ、流水を確認できたのに、もう用水の痕跡はない。
(道沿いにあるコンクリート蓋は単なる排水路)
2016-06-19_36.jpg

僅かながら道が蛇行している、
ゴール地点の多摩川はもうすぐ先だ。
2016-06-19_37.jpg

そしてその先、多摩川の土手に出ると、そこには水色の水門があった。
そこは新二子橋と二子橋の中間地点、多摩川の対岸には二子玉川の街
を望むことができる。
土手沿いの自転車道には多くの自転車が往来しているが、この水門が何
者なのかを知る人はほとんどいないだろう。
2016-06-19_42.jpg

ということで久地・溝ノ口村堀を追ってきたが、最後に水門のすぐ南にある
二子神社と岡本かの子文学碑を紹介しておこう。

二子神社の創建年代は不明、武田家の旧臣、小山田兵部が当地に居住し、
天照皇大神を守護神として祠を立てたという伝承がある。
江戸時代には神明社と称し、二子宿の鎮守として敬われてたという。
2016-06-19_47.jpg

また境内には岡本かの子文学碑が建立されている。
岡本かの子(1889~1939)は『母子叙情』『老妓抄』などの作品で知られ
る小説家、幼時を二子の地で育った。
長男は大阪万博の太陽の塔などの作品で有名な岡本太郎である。
昭和37年(1962)、地元有志の発案により、岡本太郎および建築家の丹
下健三の協力を得て文学碑が建てられた。
また文学碑の脇には、文芸評論家の亀井勝一郎の文を川端康成の書に
よって記した碑も建てられている。
2016-06-19_44.jpg

神社から数分ほど歩けば、東急田園都市線の二子新地駅に行きつく。



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善福寺川沿いのウォーキングから始め、東京や近郊の中小河川・用水・暗渠を巡る。
07年「善福寺川リバーサイドブログ」を綴り始め(14年6月閉鎖)、13年2月から当ブログを開始。

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