新川

新川はかつて亀島川から分岐し隅田川に達していた掘割である。
長さは590m、幅は11m~16mほどであったという。
万治3年(1660)、河村瑞賢が諸国から江戸へと運ばれる物資を陸揚げする
ために開削されたとされ、当初は材木問屋、後に酒問屋が集まり、周辺は物
資集散の要地として大いに繁盛した。
江戸時代の狂歌にも
「新川は下戸の建てたる蔵はなし いずれ上戸が目当てなりけり」
と詠われている。

新川酒問屋
江戸名所図会 新川酒問屋      (国立国会図書館 近代デジタルライブラリーより転載)

亀島川の項で述べた通り、この一帯はかつて霊岸島と称され、新川二丁目には
キリンHD本社もあった。(2013年5月に中野へ移転する。)

また、新川には、亀島川から一之橋二之橋三之橋という三本の橋が架けら
れていた。
(大正期の地図をみると、二之橋は新川橋と改称されている)

新川は戦後の残土処理に伴い、昭和23年に埋め立てられてしまった。

なお新川については、暗渠さんぽ(namaさん)にも詳細に解説されているので、
併せてご覧頂きたい。

亀島川と新川の分流地点を亀島川の霊岸橋から見てみる。
樹木が茂っている辺りがその分流地点である。
130330_0190.jpg

その分流地点付近に行ってみる。
川跡は一般道となっており、かつての痕跡を確認することはできない。
写真奥の交差点付近が一之橋が架けられていた地点である。
130330_0192.jpg

一之橋の左岸付近に、新川を開削した河村瑞賢の屋敷があったとされ、永代通
り沿いにその説明板がある。
130330_0182.jpg
河村瑞賢(1618~1699)は伊勢国の農家に生まれ、江戸に出て材木商人とな
り、明暦の大火の際には木曽の材木を買い占め財をなした。
奥州、出羽から江戸へ輸送する廻米のために東廻り航路を開設したほか、畿内・
淀川を始めとする各地の治水工事や築港・開墾などの事業で功績をおさめている。
また、晩年には旗本にも任じられている。

南東方向へ川跡を辿って行くと、左手に新川大神宮がある。
慶光院周清上人が寛永2年(1625)徳川二代将軍から江戸代官町に屋敷を賜り、
邸内に伊勢両宮の遥拝所としたのに始まり、明暦の大火で類焼したため、霊岸
島に替地を賜り、この地に勧請した。
「当地産土神として庶民の崇敬を集め、とくに酒問屋の信仰篤く、毎年
新酒が着くと、これが初穂を神前に献じ、然る後はじめて販売に供した。」
と説明板には記載されている。
130330_0177.jpg
現在でも、奉加板にはビールメーカー、酒蔵各社が名を連ねている。

鍛冶橋通りを越えて、更に真っ直ぐな道が続く。
130330_0171.jpg

隅田川の手前、新川公園内に新川之跡の碑がある。
昭和28年、新川史跡保存会により建立されたものである。
碑の脇には新川についての説明板もある。
130330_0168.jpg

隅田川との合流地点、テラス沿いに水門跡を確認できる。
ほとんど蔦に埋もれて、上部に突き出た部分だけしか見えない。
130330_0163.jpg

合流地点のテラスから隅田川下流方向を見てみる。
大川端リバーシティーの超高層マンションを望むことができた。
130330_0165.jpg


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No title

ご紹介ありがとうございます。
酒問屋の歴史とあわせて辿るとたのしい川ですよね。新川の碑が一時撤去されているときに行ってしまったので、碑があるときにもう一度行きたいと思っておりますw

Re: No title

> namaさん

大神宮とかもあって結構楽しめました。
碑の場所、写真を見るとわかるかと思いますが。まだ工事中でした。
もう少し待って行かれたほうがいいかもしれません。
ごあんない
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善福寺川沿いのウォーキングから始め、東京や近郊の中小河川・用水・暗渠を巡る。
07年「善福寺川リバーサイドブログ」を綴り始め(14年6月閉鎖)、13年2月から当ブログを開始。

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