野中用水 2

さて、消防署の東側の分水地点に戻り、野中用水の本流を追うことにしよう。
用水の空堀は、相変わらず青梅街道の南側、数十メートルの辺りを空堀となっ
て続いており、街道から回りこみながら用水を確認していくことになる。
その途中には写真のように素堀の区間がある。
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花6親水公園という小公園があり、水路内に降りれるようになっていた。
もちろん水路には水が流れていないが、公園の看板には水遊びに関する注意
書きが書かれている。
この公園がいつ頃できたものかは判らないが、少なくとも開園当時は野中用水
に水が流れていたのであろう。
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小金井街道を越えると水路は暗渠となる。
西武新宿線の花小金井駅から歩いて5分ほどの距離にあり、そのような環境が
暗渠化されてしまった原因なのかもしれない。
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暗渠道は数十メートルという短い区間で、その先の小平合同庁舎に行く手を阻
まれる。

迂回していくと、黄檗宗の野中山円成院がある。
この寺院は、前項冒頭で記した野中新田の開発を画策した大堅により、享保12
年(1727)、上谷保村から引寺し、実山道伝を勧請して開山した。
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大堅が新田開拓に力を入れた背景として、17世紀半ばに中国から伝来し当時
はまだ新興宗派であった黄檗宗を、新田に移り住んでくる農民に広めようとす
る思惑があったらしい。
但し現地の教育委員会の説明板の言葉を借りると、「開拓地全域の農民を自ら
の檀家とする理想は果されませんでしたが、多くの農民から帰属を得て今日に
至っています」とのこと。
とはいえ、円成院は花小金井の地に今なお荘厳な寺院として建ち続けている
ことには間違いない。

円成院の東側から、野中用水は再び暗渠として現われる。
2015-10-10_27.jpg

その先は歩行者道となって150mほど続いた後、一般道へと出る。
そこで野中用水は左へと折れていたようだ。
2015-10-10_31.jpg

その一般道はその先、北東方向へと向きを変えるが、周辺に水路の痕跡は見
出せない。
ただ、この道路が小平市と西東京市(旧田無市)の市境となっており、恐らく野
中用水の水路を基準として境界線が設定されたのであろう。
2015-10-10_34.jpg

東京街道を過ぎると住宅が途切れ、田無タワーが目前に見える。
前項でとりあげた分水路は、この辺りで再び合流していたようだ。
2015-10-10_44.jpg

そのまま道路を進むと、多摩六都科学館の脇を通り過ぎ、田無タワーの足元
(写真右側の骨組み)で新青梅街道に出てくる。
街道の手前、100mほどの区間は道幅が細くなり、いかにも水路跡という雰囲
気を醸し出している。
2015-10-10_49.jpg

新青梅街道を渡った先、水路跡の道は更に雑然としてくる。
道脇には雑草が生い茂り、殆ど利用されない歩行者道ではないだろうか。
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その道を抜けると芋窪道と称された古道の道路に出る。
その芋窪道に出たところにあった地蔵、由緒は不明。
2015-10-10_54.jpg

用水は東へと向きへ変え、芋窪道沿いを数百メートルほど流れていたようだ。
2015-10-10_66.jpg
ここから北へ5分ほど行ったところに、小学校の旧校舎を利用した西東京市の
郷土資料室がある。
田無用水に関する展示もあり、足を伸ばしてみるのもいいかもしれない。

さて、ここから先が難題である。
野中用水は、南へと向きを変えて、再度、新青梅街道を渡り、現けやき小学校
の敷地内を通っていたようだ。
西東京市中央図書館(地域・行政資料室)で見つけた地図資料をもとに、周辺
を歩き回ったが、周囲は住宅街となり、部分的に農地は残っているものの、用
水の痕跡は全く判らなかった。
なおGoogleMapに記したルートは、その資料から推測したものである。
2015-10-10_67.jpg
小平市では条例を制定して用水を歴史的遺産として保全しているのに対して西
東京市ではそういった対応がなされていないためかもしれない。
それぞれの自治体にはそれなりの事情もあり対応方法が異なるだろうから、対
応の良し悪しを云々することはできないが、市を跨ぐと一変してしまうというのも
なかなか興味深いところではある。

野中用水の流末は、田無橋場で田無用水へと注いでいたようだ。
残念だが、現在ではその様子を伺い知ることはできない。
2015-10-10_75.jpg


   
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善福寺川沿いのウォーキングから始め、東京や近郊の中小河川・用水・暗渠を巡る。
07年「善福寺川リバーサイドブログ」を綴り始め(14年6月閉鎖)、13年2月から当ブログを開始。

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