亀島川

日本橋川の河口、500mほど手前で右岸に分岐する亀島川を追ってみる。
亀島川の由来は、瓶を多く売る者が多くいたからという説と、かつて亀に似た小島
があったからという説があるという。

日本橋川の分かれる場所に日本橋水門がある。
隅田川との合流点には亀島川水門があり、亀島川は2つの防潮水門によって守ら
れている。
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亀島川の左岸、日本橋川・亀島川・隅田川に囲まれた地域、現在の中央区新川
1丁目・2丁目にあたる地域は、かつて霊岸島と称されていた。
その名は、この地に霊厳寺があったことに由来する。
霊厳寺は寛永元年(1624)、雄誉霊巌上人により開山されたが、明暦の大火に
より焼失、後に深川(現在の江東区白川)に移転した。

さて、日本橋水門脇の霊岸橋から下流方向を眺めてみる。
写真で判るように、ビルが河川脇まで迫っており、川沿いを歩くことはできない。
写真左側、樹木がある場所から、隅田川方向にかつて新川という堀があったが、
戦後の残土処理のため埋め立てられてしまった。
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新亀島橋左岸の橋詰には、大震火災遭難追悼碑(写真右、大正13年建立)
戦災遭難死者慰霊碑(同左、昭和53年建立)がある。
どちらも町内会有志によるものらしいが、震災に戦禍に遭われた人々に黙祷せず
にはいられない。
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次の亀島橋の左岸には堀部安兵衛武庸之碑がある。
ご存知の通り、赤穂浪士の一人であるが、その活躍はここでは書ききれない。
彼がこの付近の水谷町(現在の八丁堀1丁目)に居住していたことから、町会が
碑を建てたらしい。
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なお、赤穂浪士は討ち入り後、この亀島橋を渡って泉岳寺に向かったという話が
ある。

亀島橋から下流の左岸は、江戸期には将監河岸と呼ばれていた。
大阪夏の陣において水軍を率いて大阪湾を押さえた向井将監忠勝は、その功績
により御船手頭を命じられ、向井家は代々将監を名乗り、この地でその任を世襲
した。
向井将監は江戸湾の警護や幕府水軍の維持を請け負った。
下の写真は橋脇の説明板にあった幕府御用船天地丸の図である。
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亀島橋を過ぎると川は南東方向へと向きを変える。
右岸にあるのが、日比谷稲荷神社
長禄元年(1457)、太田道灌が江戸城を築城した際、日比谷の地(現在の日比
谷公園)に社殿を建てたのが始まりとされる。
慶長11年(1606)、徳川家康が江戸城を拡張した際、日比谷御門建設のため、
代替地として現在の新橋四丁目の地を賜り、移転する。
(現在の日比谷神社であるが、平成21年、環状2号線(新虎通り)の建設に伴い、
 東新橋二丁目へ移設)
しかしながら、海岸に祀られないと困る崇敬者は、八丁堀先の干潟を埋築し、日
比谷稲荷大神を遷座、そこに御社殿を造営したのが、この神社の由来とされる。
なお、関東大震災後の区画整理前は、この地を日比谷町と称していた。
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次の橋梁は高橋
なにやら人名のような橋名だが、以前は船の出入りを考慮した太鼓橋で、高い橋
という意味から名づけられたらしい。
なお、橋名は「たかはし」ではなく「たかばし」と濁音が入る。
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上の写真は高橋から下流方向を撮影したもので、右側に少し川幅が広くなった
箇所があるが、これはかつてここで桜川八丁掘)が合流していた跡である。

亀島川最後の橋は南高橋、震災復興で架橋された橋梁である。
ただし多くの架橋事業を行った当時の東京市は予算欠乏のため、震災で被害を
受けた3連トラス橋の両国橋の中央部分を移設し、南高橋を架橋した。
鋼鉄トラス橋としては全国で六番目に古い橋で、中央区の有形文化財に指定さ
れている。
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南高橋のすぐ下流には亀島川水門、その先は隅田川である。
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もう1つ、交差部に設置されている霊岸島水位観測所を取り上げておく。
日本の標高は東京湾の平均海面を海抜0mとして決められているが、明治6年
から12年にかけて、この水位観測所で潮位観測を行い、その平均値を算出した。
その後、千代田区永田町にある日本水準原点までの水準測量を行い、水準原点
を24.5000mとした。
(関東大震災の地殻変動により、24.4140mに改訂)
現在は東京湾の埋め立て等の影響により、水位観測所は三浦半島の油壺に移
設されている。
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また、元々は写真手前の柱の位置にあったが、隅田川テラス設置の際に30m
ほど下流に移設され、現在でも荒川水系の改修策定などのために観測され続
けている。


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善福寺川沿いのウォーキングから始め、東京や近郊の中小河川・用水・暗渠を巡る。
07年「善福寺川リバーサイドブログ」を綴り始め(14年6月閉鎖)、13年2月から当ブログを開始。

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