府中用水 谷保分水

府中用水の取水口から辿ること600m余り、中央高速道路との交差手前で流れ
が二手に分かれる場所がある。
谷保堰と呼ばれる堰であり、写真右手が府中用水本流、左手が今回取り上げる
谷保分水である。
谷保分水は中央高速を潜らず、高速道路の北側を流れ、旧谷保村の水田を潤
している。
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谷保分水を追いながら250mほど歩くと、北から清水川(写真左)と矢川(同右)
が合流してくる。
矢川おんだしと呼ばれる合流地点である。
清水川は青柳崖線のママ下湧水を水源とする400mほどの短い河川、矢川は
矢川緑地保全地域など立川崖線に湧き出る水を集めて流れてくる河川である。
湧水ゆえに両河川の水質はとても清らかだ。
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農閑期には多摩川から取水されず水が流れない府中用水だが、矢川や清水川
からの水は年間を通して用水路を流れる。

合流した水を加えて、満々と湛えて流れていく谷保分水。
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その先にあきすい門と称する水門が右手に設置されており、あきすい堀が南へ
と分かれる。
農閑期、矢川や清水川からの水は全てあきすい掘へと流れていく。
そのため、この先の谷保分水は秋から春の期間、空堀となっている。
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あきすい堀は谷保分水から分かれた後、中央道の南へと流れていく。
途中には寺之下親水公園が設置されており、あきすい堀を流れる水と触れ合う
こともできる。
その後、あきすい堀は日野バイパス付近で府中用水本流と合流する。
2015-06-06_27.jpg

谷保分水に戻って先へ進もう。
谷保分水はヤクルト中央研究所の脇を進んでいく。
2015-06-06_36.jpg
分水は住宅や田畑の中を進んでいくため、今回の記事では周辺の史跡紹介は
ないが、分水沿いから歩いて数分の場所にくにたち郷土文化館下の川の項
で触れた城山公園などもあるので、立ち寄ってみるのもよいだろう。

ヤクルト研究所の東側は区画整理が行われたせいか、一時的に谷保分水は暗
渠となってしまっている。
その場所には弥五郎島堰と呼ばれる堰があり、三田家堀と田中堀という二つの
流れに分かれるが、残念ながら堰は整地された地の下となってしまったようだ。

三田家堀はほぼ真っ直ぐ東へと進み、田中堀はその北を円弧を描くように流れ、
国立インター脇で再び合流する。
堀の名の由来はわからないが、恐らくこの付近の名主や農家の名前であろう。
それぞれの堀を追ってみることにしよう。

まずは三田家堀、区画整理された場所を過ぎると水路が顔を出し、住宅の間
を蛇行しながら抜けていく。
護岸工事も行われておらず、まるで府中用水の原風景を見ているようだ。
2015-06-06_47.jpg

その一画を過ぎると、三田家堀は国立市立第三中学校の南に沿って流れて国
立インターの進入路の脇へと達する。
2015-06-06_55.jpg
その先は暗渠となって進んでいくが、おそらく、この辺りはインター設置に伴って
流路が付け替えられたのではないだろうか。

続いて田中堀を辿ってみよう。
田中堀は北へと迂回をしていくため、三田家堀より数百メートルほど長い。
水路の周囲には田畑が多くあり、用水から水を取り込んだ田園風景が広がる。
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畑と住宅の間を流れていく田中堀。
2015-06-06_61.jpg

その先、南養寺の崖下の湧水を水源とする下の川の支流(城山支流(仮))へと
通じる水路に水を分ける。
2015-06-06_64.jpg
城山支流では、湧水の水量は殆ど無い(水は途中で地中に浸み込んでしまう)
ため、特に城山公園から下流では水の流れはない。
そこで田中堀から水を分け、供給しているのである。
勿論、この供給も農繁期だけのことで、農閑期、城山支流は空堀となっている。

水が張られた田圃と谷保分水、写真手前に小さな堰が見える。
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その堰はというと・・・そこから左へと分水し、分かれた水路住宅の前を進んでいく。
2015-06-06_81.jpg
その先、150mほどで国立インター脇に達し、西から流れてきた三田家堀と合流、
再び1本の水路となって東南方向へと向かう。

谷保分水は国道20号線(日野バイパス)を渡り、東京多摩青果市場の脇を流れる。
市場沿いの道路では水の流れが道の左右に分かれている。
(写真右手のガードレール下にも水路がある)
2015-06-06_90.jpg

日野バイパスから300メート利ほど行くと、今度は都道20号線と交差、谷保分水は
民有地の中へと入っていく。
2015-06-06_92.jpg

しかたなく迂回すると、田圃の脇を流れていく水路に出会う。
用水は写真奥の樹木沿いへとながれていく。
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そして谷保分水は立川崖線沿いを流れる下の川(写真手前の水路)に合流して
終わる。
下の川の上板橋から数十メートルほど上流側の地点である。
2015-06-06_100.jpg
しかし、下の川沿いの遊歩道から近づいてみると谷保用水は下の川に水を落と
していない。
どうやら、現在、谷保用水の水が地下の下水路へと流されているようだ。

《参考資料》
『府中用水』 くにたち郷土博物館・府中用水土地改良区編


  
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善福寺川沿いのウォーキングから始め、東京や近郊の中小河川・用水・暗渠を巡る。
07年「善福寺川リバーサイドブログ」を綴り始め(14年6月閉鎖)、13年2月から当ブログを開始。

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