神田川 8

神田川最大の有名スポット、御茶の水橋から聖橋方向の風景である。
アーチ橋の聖橋が素晴らしい。
聖橋は関東大震災復興事業のひとつとして、昭和2年(1927)に架けられ、
川の北にある湯島聖堂と南に位置するニコライ堂という2つの聖堂を結ぶ
という意味から名づけられた。
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聖橋の脇に顔を出し、橋で川を渡る地下鉄丸ノ内線。
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その先は昌平坂を下りていくが、坂の途中、左手にあるのが湯島聖堂
元禄3年(1690)五代将軍綱吉が儒学の振興を図るため、この地に聖堂を創建し、
林羅山が上野忍が岡の私邸内に建てた孔子廟を移設させた。
その後、幕府直轄の昌平坂学問所となり、明治期に入ってからは、
東京師範学校、東京女子師範学校なども置かれたという。
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坂を下りたところにあるのが昌平橋、
橋から上流を見るとJR中央総武線の鉄橋が見える。
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こちらは歌川広重が描いた「名所江戸百景 昌平橋聖堂神田川」。
なんとなく現在からも想像できる情景である。
昌平橋聖堂神田川

下流方向に目を向けてみると、赤煉瓦の中央線の高架が川に沿っている。
かつては万世橋駅があったが、昭和18年(1943)に廃止された。
中央線の脇にあった交通博物館跡地にはJR神田万世橋ビルが建てられ、
駅跡にはmAAch ecute(マーチエキュート) 神田万世橋と称する商業
施設がオープンした。
かつてのホーム部分には展望デッキとカフェがあり、そこに通じる階段は
旧万世橋の遺構として展示・利用されている。
13/12/23記事修正
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なお、御茶ノ水分水路は昌平橋の橋詰で終わり、本流と合流する。

次の橋は万世橋、灯篭のある親柱が特徴的である。
橋の北側には秋葉原の電気街が広がる。
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初代の万世橋は、もう少し上流にあった。
明治6年(1873)に昌平橋が洪水で流され、この地に昌平橋の仮橋が架設された。
つまり、一時的にではあるが、昌平橋と万世橋の位置は逆転していたことになる。
現在の万世橋は昭和5年(1930)に架け替えられている。

昌平橋から下流には、殆ど川沿いの道路はなく、並行する道路を歩くことにある。
秋葉原東口の近くに秋葉原公園という小公園がある。
ここは、かつて神田川と秋葉原貨物駅を結ぶ掘割であった。
鉄道輸送と水運の交流地点であったというわけだ。
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昭和通りが架かる和泉橋の上流には防災用船着場があり、その脇にはちょっとした
テラスもある。
近年は防災用船着場としてではなく、神田川クルーズの乗降場としても使用されて
いるようだ。
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川の北側に並行する道を歩いていると、神田佐久間河岸と書かれた電信柱を
見つけた。
住居表示などで新町名に変更される場合が多いなか、
このように古い町名が残っていることを見つけると、なんとなく安堵してしまう。
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美倉橋の右岸橋詰めには、小さな倉がある。
実はこれ、公衆トイレであり、美倉橋の由来(川の傍に三つの倉があり、三倉が転じて
美倉橋となる)に因んで建てられたもののようである。
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左衛門橋から下流側は、屋形船の停泊場所となっている。
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そして浅草橋から柳橋にかけては、川沿いに数軒の船宿が連なる。
浅草橋はJRの駅名にもなっているが、元々、奥州街道が通るこの地に、江戸城の
警護に築かれた門があり、浅草観音への道筋に当たることから浅草御門と呼ばれ、
橋も浅草御門橋と称された。
いつしか浅草御門橋が転じて浅草橋になったという。
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神田川最下流の橋、柳橋に達する。
橋詰には小松屋という佃煮屋がある。
神田川が隅田川に合流する地のため、川口出口之橋という橋だったが、
川のほとりに柳があったことから柳橋と称されることになったそうだ。
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柳橋といえば花街で有名であり、天保の改革で非公認の花街・遊郭であった
深川などから逃れてきた芸妓がこの地に移住したことが始まりという。
また、隅田川・山谷堀を経て吉原に至る船が柳橋から出ていた。
江戸・明治から昭和に至るまで奥座敷として賑わったが、
東京オリンピック以降衰退し、今では付近一帯は低層のビルが立ち並ぶ。

柳橋の先、数十メートルで神田川は隅田川に合流する。
隅田川の対岸には首都高6号線が通り、すぐ下流には両国橋が架かる。
24.6kmに及ぶ神田川の終焉、そこには清々しい空と水の青さが輝いていた。
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善福寺川沿いのウォーキングから始め、東京や近郊の中小河川・用水・暗渠を巡る。
07年「善福寺川リバーサイドブログ」を綴り始め(14年6月閉鎖)、13年2月から当ブログを開始。

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