六郷用水 4

六郷用水丸子川)は、目黒通りを越えて、東京都市大学の北側を通り、世田谷
区玉堤の住宅街の中を流れていく。
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八幡橋を北へ行くと、伝乗寺と宇佐神社があるので、立ち寄ってみる。

浄土宗の松高山伝乗寺の境内に入ると、五重塔が目を惹く。
創建年代は不詳だが、住誉良公和尚の開山という。
境内にそびえ立つ五重の塔は2005年に建てられたものらしい。
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寺の門前から上る坂は「寮の坂」といい、伝乗寺の学寮があったことから、名づ
けられたとのこと。

伝乗寺の北側には宇佐神社
安倍頼時・宗任親子が起こした前九年の役(1051~62)の討伐のために、源
頼義が出陣、途中、ここ尾山の地に造営した。
その際、空に白雲が8つに分かれ、源氏の白旗のように見えたので、頼義は源
氏の氏神である八幡様に勝利を誓った。
戦いに勝利し、凱旋した頼義は、帰途、この地に康平5年(1063)にここに八幡
社を創建したのが、宇佐神社の始まりであるという。
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上の橋の先では護岸整備が施工され、川辺に下りることができる階段がつけら
れていた。
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その先、鳥居がある八幡橋の左岸にある階段を上ると、田園調布八幡神社
鎮座する。
創建は鎌倉期の建長年間(1249~56)と伝えられる。
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当時は篭谷戸(ろうやと)と呼ばれる多摩川の水が打ち寄せる入江があり、物資
を積んだ舟が盛んに出入りしており、また、高台部分には鎌倉街道が通ってい
たので要衝の地となっていた。
この地は舟の出入りを監視できる台地で、その場所に祠を建て、八幡神社を勧
請したのが始まりという。
また、天正18年(1590)小田原北条氏滅亡の後、八王子城主北条氏の家臣、
落合某がこの地に庵を結び、その孫の左衛門が八幡大菩薩を祀り、社殿を創
建し氏神とした。

更に歩いていくと右手に水門が見えてくる。
お鷹の圦と呼ばれる堰で、余水を多摩川へと流していた。
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余水路を辿ると、多摩川の築堤に水門を見ることができる。
この水門付近のは白杭が建てられ、手前が世田谷区、下流側には大田区、そ
して水門脇には東京都下水道局の名が書かれている。
この河川敷付近では、この水路が世田谷区と大田区の区界であり、水路部分
が下水道局の用地であるということだ。
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更に水路を多摩川の川辺まで追うと、対岸には等々力緑地のスタジアムなどが
見える。
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お鷹の圦から数十メートルほどいくと、左岸に浄土宗の照善寺がある。
天正14年(1586)に草庵が造られたのが始まりとされ、寛永16年(1639)、
堂宇が整備され、照善寺と称したという。
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その先、再び個人宅専用の橋が続く。
欄干が設置されておらず、ちょっと怖ささえ覚えるような橋もある。
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やがて多摩堤通りと合流し、通り沿いに流れていく。
多摩堤通りの歩道として利用するため、水路の幅の半分ほどは道路に覆われ
ている。
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その左岸の高台には多摩川台公園が広がる。
高台の上には4世紀から5世紀頃の築造と推定される前方後円墳の亀甲山古
墳や宝莱山古墳、また8基の古墳からなる多摩川台古墳群がある。
公園内には古墳展示室も設置されて、出土した埴輪,刀剣などのレプリカを展
示しており、古代の生活に触れることもできる。
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また、高台からの眺望は多摩川八景の一つとして選定され、蛇行する多摩川の
向こうに丹沢山地や富士山などを眺めることができるという。
(下の写真は、夏季のため、条件はよくなかった。)
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東急東横線・目黒線のガードを通り抜けた先、左手には多摩川浅間神社が鎮
座する。
多摩川台公園からの舌状台地(途中、東横線の切り通しで遮られるが)の先端
に位置し、浅間神社も古墳の上に建てられている。
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創建は鎌倉時代の文治年間(1185~90)と伝えられ、源頼朝が豊島郡滝野川
に出陣した折、夫の身を案じ後を追ってきた北条政子は、わらじの傷が痛み出し、
やむを得ず当地で傷の治療をすることになった。
亀甲山(かめのこやま)へ登ってみると富士山が鮮やかに見えたので、富士吉田
にある本尊の浅間神社へ向かって手を合わせ、夫の武運長久を祈り、身につけ
ていた正観世音像をこの丘に建てたという。
村人たちはこの像を「富士浅間大菩薩」と呼び尊崇したのが、神社の起こりとさ
れている。

境内にある展望台からは多摩川橋梁を行き交う電車が見られ、多摩川台公園
の眺望に負けず劣らずという眺めである。
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浅間神社の北、多摩川駅の東側にある田園調布せせらぎ公園に寄ってみよう。
公園内には何箇所か、崖線からの湧水が出ており、東京の名湧水57選の1つ
に指定されている。(写真は第二湧水池)
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以前、この地には大正14年(1923)開業の多摩川園という遊園地があったが、
昭和54年(1979)入園者減少により閉園、その後、多摩川ラケットクラブという
テニスクラブとなったが、平成12年(2000)に閉鎖された、
その跡地を大田区が取得して公園として整備、開園した。

浅間神社の下で、丸子川として流れてきた六郷用水跡の水路は終了し、
多摩川へと放流されている。
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《参考文献》
『六郷用水』 大田区立郷土資料館編


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善福寺川沿いのウォーキングから始め、東京や近郊の中小河川・用水・暗渠を巡る。
07年「善福寺川リバーサイドブログ」を綴り始め(14年6月閉鎖)、13年2月から当ブログを開始。

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